2020年に東京で開催されるオリンピック、パラリンピックまでいよいよカウントダウン。
オリンピックだけでなくパラリンピック出場者にも期待が高まる中、パラリンピックの出場資格が障がいによって制限があることをご存知ですか??
特に出場枠が少ない「知的障がい」枠について調査しました。
パラリンピック(英語: Paralympic Games)とは??
国際パラリンピック委員会(略称:IPC)が主催する主に肢体不自由の身体障害者(視覚障害を含む)を対象とした競技大会の中で世界最高峰の障害者スポーツ大会。
オリンピックと同じ年に同じ場所で開催されています。
2020年の東京パラリンピックで実施される22競技は、
- 陸上
- アーチェリー
- ボッチャ
- 馬術
- ゴールボール
- パワーリフティング
- ボート
- 射撃
- シッティングバレーボール
- 競泳
- 卓球
- トライアスロン
- 車椅子バスケットボール
- ウィルチェアラグビー(車いすラグビー)
- 車いすテニス
- カヌー
- 自転車
- 視覚障がい者5人制サッカー
- 柔道
- 車いすフェンシング
- バドミントン(東京大会で初実施)
- テコンドー(東京大会で初実施)
となります。
知的障がいとは?
現在、日本の人口の0.5%(1人/200人)、約741,000人います。
医療の発達や高齢出産などの理由から、ここ10年の知的発達障がい者数の推移をみると、約2倍に増えています。
知的障がいは、法律による定義はありませんが、知的能力に障がいがあり、何らかの支援が必要であることとされています。
また、その知的な障がいのほとんどが発達期(18歳未満)で生じるとされています。
「知能障がい」も「知的障がい」と同じ意味で使われています。
知的障がいの約8割が原因は明らかではないとされています。
軽度の知的障がいのほとんどがこれに当たり、原因不明です。残りの2割は、染色体の異常などの先天性の知的障がいや出産時の酸素不足やトラブル、乳幼児期の高熱などが原因となっています。
知的障がいは、度合いによって、最重度・重度・中度・軽度に分けられます。
また、知能指数が70~85%の場合はボーダーラインであり、知的障がいと認定されない場合が多いです。
軽度の知的障がいでは、障がいがあることが見ただけではわかりにくいこともあります。
パラリンピックの種目には知的障がい者が含まれない理由とは??
1998年冬季の長野パラリンピックに初めて知的障害者選手のクロスカントリー種目のみが採用され、その後のパラリンピックにおける知的障害者が参加する競技種目の拡大が期待されました。
しかし、2000年に開催されたシドニー大会では、男子バスケットボール競技において金メダルを獲得したスペイン代表チームメンバーの大半が健常者であったことが判明し、IPCは、確固たるクラシフィケーションシステムが確立するまでの間、知的障がいをパラリンピック競技大会から除外することになりました。
目に見える身体の障がいと比べて、「知的障がい」の程度は幅広く、クラス分けが難しいということがパラリンピックの公平性の点から出場枠に入らない理由のようです。
今後への期待
その後パラリンピックに知的障がい者が復帰するための活動が進められ、2012年にようやくロンドンパラリンピックにおいて陸上競技、水泳と卓球の3種目の復活が認められ、日本選手の田中康大さんが金メダルを獲得しています。
ただ、陸上競技で参加が認められたのは1,500メートル、走り幅跳び、砲丸投げの3種目だけでした。
リオ大会からの追加種目も400メートルの1種目のみです。
日本知的障がい者陸上競技連盟では、東京大会からさらなる追加種目を期待していますが、今のところ何の連絡もないそうです。
障がいがあっても、能力がある人はたくさんいます。
しかし、障がいをもっていることで「オリンピック」にも「パラリンピック」にも出場できず、自分の持っている力を活かせないというのは悔しいことだと思います。
インクルーシブな世界を実現する象徴であるような平和の祭典「オリンピック・パラリンピック」の在り方がこれから期待されますね。