叱らない子育ては、本当に叱らないの?
叱らない子育ての結果は?成功なのか?失敗なのか?その末路はどうなるのか?
叱らない子育てを正しく実践するにはどうしたらいいのか?
子育て中の方、これからの方、すでに終えられている方もぜひ読んでみてください。あなたの子育てはあっていますか?
叱らない子育ては迷惑?結果は成功?失敗?その末路は
叱らない子育ては、本当に叱らないのか?
答えは「NO!」です。
でも、「叱る」という行為を繰り返し、それが基本になってしまうと大変なことになります。例えば、子供の脳を委縮させ、相手の出方や機嫌、顔色をうかがうようになる、などです。
つまり、「叱らない」というのが基本ですが、言い方を変えると「叱る」という手段を用いてでも伝えなければならないことがある、ということです。
それはどんなことでしょうか?
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例えば、
- 命に係わる危険なことをしない
- 人を傷つけない
といったことです。
こういった、社会に出てから問題を起こさない、起こしにくい言動が取れる子に育てるには、最低限守らなければならないラインを明確に伝えておく、ということが必要です。
それがないと「何が社会に求められる規範に反するか」が分からないまま育ち、ゆくゆく取り返しのつかない行動を起こす可能性を残してしまいます。
どんな行動かというと、例えば、
- 相手の気持ちがわからない
- 社会のルールが守れない(適応ができない)
- 保育園や幼稚園、小学校など集団の中にいられない
- 我慢ができない
- 暴力をふるう
などです。
無論、これらが全て「叱らない子育て」が原因といえるわけではありません。
脳の発達の問題や生まれ持った人格によるもの、経験など、様々な要因が考えられます。
ですが、どんな環境、条件があったとしても、子供にとっては「親が本気で怒った」という体験はあってしかるべきものです。
皆さんもご存知の通り、当然社会は「何でも許される」という仕組みになっていません。
自分の行動に許されないものがあり、それをすると「叱られる、怒られる」という体験があるかないかでは、後々大きな差が生まれます。
例えば、私の子供は虫が大好きですが、「命」がなにかが分からないので、アリを見つけてはいたずらに踏んだり、巣をつついたりすることがありました。
子供のうちはまだ前頭葉の発達が未熟なため、大人ほど我慢や抑制が効かず、我々にとっては当たり前の社会性も持っていません。
では、いつ叱ればいいのか?
子供は発育の過程で、好奇心や興味を抱くものが増え、自我を獲得し、行動範囲をどんどん広げていきます。
子どもの脳の発達は「いつ成長した」ということを教えてくれないので、昨日まで理解できなかったことでも、今日理解できるようになる、といったことが起こります。
「これは危ないな」と感じる場合があったら、その都度伝える努力をしていく必要があります。
少しでも違和感を持ったら少しずつでも伝えるという努力をし、明らかに社会性に反する行動を取った時はは「叱って教える」といったコミュニケーションが必要です。
必ずしも叱る必要はないのですが、普段声を荒げるようなことをしていなければ、叱って伝えることで強く子供の「記憶」に残すことができます。
どうやって叱れば子供によい記憶として残せるのか
まず、前提として、そもそも日常から
- 大きな声を出さない
- 感情に身を任せて怒らない
- 子供の言動に起こってしまったときは、落ち着いて一呼吸し手から伝える
といった、感情のままに子供に当たる、といったコミュニケーションをしていない、という前提が必要です。
少し話がそれますが、もし感情に任せて声を荒げるといったことがよくあるという方は、以下を意識しておくとよいでしょう。
それは、
- 子供の行動を認めてから伝える
です。
例えば、子供がアリを踏みつぶしているのを見つけたら、
「そうだよね、アリさんがたくさんいて気になっちゃったよね。たくさんいるとお母さんもちょっと怖いなって思うことある。でもね、アリさんにもおうちがあって、家族がいるんだよ。もし〇〇のおうちが壊されたら、〇〇はどう思う?」
といった伝え方です。
相手の気持ちに寄り添い、「あなたのことを理解しているよ」というメッセージを常日頃伝えていくことが大事です。
それを何度も伝えていて、それでもやってしまったら。
ポイントは5つです。
最近では、叱り方をしらない親御さんも多いといわれています。親御さんもまた叱られることなく育ってきている世代が増えているそうです。
ではいざ叱る場合はどうしたらよいでしょうか?
- 「叱るべき行為をした時には、その場ですぐ叱る」・・・しばらくたって「さっきは・・」と説明しても、本人は忘れてしまいます。その場でできるだけ具体的に伝えること
- 「行為を叱る」・・・「その人(人格)を叱ること」のではなく、必ず行った行為を叱る
- 「叱る時の言葉、声のボリューム(トーン)を考えて叱る」・・・乱暴な言葉使いや大声は子供に対して恐怖心しか残しません。また、それらの行動はきっと子供が誰かに対してもとっていくことになるでしょう。
- 「目を見て、簡潔に きっばりとした口調で叱る」…叱る時は、目線をしっかり合わせて、正面で、目を合わせて、端的に叱りましょう。目を合わせていると、理解しているかもわかります
- 「家族の方針や考え方は大まかでも統一されていること」・・・父親と母親、あるいは祖父母と、家族の中で方針が異なっていると叱るポイントがバラバラになってしまいます。大切なのは目標です。
→「どんな子供になって欲しいか」をまずは明確にし、そこから大きく外れるものを対象にしていきましょう。ただ、本人ではない以上、その子の目標を決めるのはとても難しいものです。難しいという前提にたって、家族で何度も何度も話し合いながら目標を決めていきましょう。
まとめ
「叱らない子育ては迷惑?結果は成功?失敗なのか?その末路は」
結果は「NO」です。叱るべきポイント「命の危険性」「人を傷つけない」といったことは小さいうちから叱ってでも教えなければいけません。
「叱らない子育て」はほったらからかす、ということではなく、子供に目を向け、必要に応じて社会性や人格を豊かにするためのコミュニケーションをしていく、ということです。
「叱る」こと「ほめる」ことは親から認められていると感じる要因にもなります。
大事なことは無理をしないことです。
今のままで十分だと思います。プラスアルファ、もし余裕があったらこの記事にあることを実践し、少しでもよりよい関係をお子様と築いていただけたらなと、思います。
叱らない子育てを正しく理解して、一人の人を社会で自立した生活ができる大人になるよう育てていきましょう。